規律の円

ヘリーン・J・内田

circle of behavioral limits illustration

ニューヨーク州ブレントウッドで教鞭をとっていた頃、生徒の多くは、悪名高き不良少年たちでした。私は、彼らに好き勝手にされて被害を被るよりも、まず初 日にルールをしっかり伝えようと決心し、次のようにしました。黒板に円を描き、まずその内側に、やってもよいことをリストアップしました。例えば、1回だ けクラスに遅刻すること、1回だけ宿題を忘れること、手を上げずに発言すること、等など。そして、円の外側には絶対にしてはいけないことを書きました。先 生や仲間に失礼な態度をとること、発言中の人の邪魔をすること、他の生徒を馬鹿にすること、いじめ等など。円の内側外側を使った概念は、ものごとをはっき りさせるのに役立ちました。それから生徒たちに質問はないかと尋ねました。何人かが質問をし、私は真剣にそれらに答えました。これから先の一年間の雰囲気 がこれで決まると思ったので、私はこのプレゼンテーションに全神経を集中させました。そして、その通りになったのです。初めからルールがはっきりしていた おかげで、生徒はやって良いことと悪いことで迷うことがなかったのです。

生徒たちとは楽しい一年を過ごせました。そして、たまに円の外側に書かれたことをする生徒が出ても、違反者に対してルールを思い出させ、注意を促すのは私 ではなく、他の生徒でした。そして、どんどん脱線してしまわないようにしてくれたのです。他の先生から羨ましがられていたのは事実です。生徒たちはどうし て私のクラスでだけ態度がよかったのでしょうか。答は簡単です。初日に円を使った説明で、ルールをはっきり示したからです。

あなたが日本人なら、学年の初めにこうした説明を日本語ですることを強く勧めます。英語のネイティブ・スピーカーなら、何かが起きるたびに、例をあげなが ら少しずつ説明していくしかないでしょう。この点では日本人の先生の方が有利です。しかし少し時間はかかりますが、外国人の先生にもできることです。